2016-05-23 黒い不安 高校3年生の夏休み、受験勉強に没頭していた私は、冷夏の夜に自転車を走らせて、中央書店五日市店に、毎日の様に身を寄せた。参考書や問題集が充実していた。その他の書籍には目もくれる余裕が無かったのだろう。書店からの帰りは、大学生活への不安を振りほどく様に、必死にペダルを漕いだ。しかしその黒い不安は容易にはほどけなかった。