広島回想〜日々雑感

1988年、父の転勤で広島に移住。中学・高校と広島で過ごした6年間の出来事と記憶をひも解きます。

桜爛漫の広島を発つ

太田川沿いの桜が満開となった広島を夕刻の高速バスで発った。空はどんよりと曇っているが日没が迫った陽射しも影も無いこの時間帯に広島を出るのが最も侘しい。庚午に見た物件をどうするか明日には不動産屋に返事が必要で、広島は特に庚午での生活への憧れと迷いは帰巣本能に依るものが強いのだろう。東へと向かうバスのエンジンは25年前に迷い込んだ自分を容赦なく日常へと引戻す。4時間の車中で広島への想いがなお確かなものか、自らに問い質す。